
福岡県飯塚市に位置する飯塚駅の煙突から石綿含有断熱材が確認され、2025年9月に除去工事を実施しました。2023年10月施行の法改正により有資格者による事前調査が義務化され、公共施設でのアスベスト対策はより厳格化されています。本記事では、株式会社アクトの業務内容に基づき、飯塚駅での実際の施工事例を通じて法令対応の重要性と安全な除去工程を詳しく解説します。
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株式会社アクト
鹿児島県日置市を拠点に、業界歴22年以上のアスベスト調査・除去専門業者です。代表は建築物石綿含有建材調査者および石綿作業主任者の資格を保有し、ウォータージェット工法によるはつり工事にも対応しています。九州地方を中心に全国の戸建て・マンション・ビル・商業施設・公共施設で800件以上の施工実績があり、労働安全衛生法・石綿障害予防規則・大気汚染防止法に準拠した正確な工程管理と安全な施工を提供しています。
2025年法改正で何が変わった?公共施設のアスベスト除去義務
アスベスト関連法規は近年、段階的に大幅な改正が行われています。特に2023年10月1日施行の改正により、建築物や工作物の解体・改修工事における事前調査は、有資格者でなければ実施できなくなりました。さらに2026年1月1日からは工作物への事前調査義務が拡大され、煙突や配管などの設備にも資格要件が適用されます。
有資格者による事前調査の義務化

2023年10月以降、全ての建築物・工作物の解体・改修工事では「建築物石綿含有建材調査者」などの有資格者による事前調査が義務付けられています。無資格者による調査は無効とみなされ、再調査が必要となるため、発注者は施工業者の資格保有状況を必ず確認する必要があります。
調査結果は3年間の保存義務があり、一定規模以上の工事(解体工事:床面積80㎡以上、改修工事:請負金額100万円以上)では、石綿事前調査結果報告システムを通じた電子報告も義務化されています。
公共施設管理者の責任強化
駅舎や学校、病院などの公共施設では、不特定多数の利用者が日常的に出入りするため、アスベスト飛散による健康被害のリスクが特に高くなります。施設管理者には、定期的な点検と早期の対策実施が強く求められており、違反した場合は最大で懲役刑や罰金刑が科される可能性があります。
大気汚染防止法では、石綿を飛散させた場合に1年以下の懲役または100万円以下の罰金、石綿障害予防規則違反では6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が定められています。
福岡県飯塚駅の石綿含有煙突断熱材除去工事|施工概要
2025年9月、福岡県飯塚市に位置する飯塚駅にて、株式会社アクトが石綿含有煙突断熱材の除去工事を実施しました。駅舎の煙突に使用されていた断熱材からアスベストが検出されたことを受け、利用者の安全確保を最優先とした除去作業を行いました。
施工の詳細内容

飯塚駅の煙突は屋上に設置されており、作業環境が限られた空間での施工となりました。駅という公共性の高い施設であることを踏まえ、利用者への影響を最小限に抑える綿密な工程管理を実施しました。
飯塚市の地域特性と配慮事項
飯塚市は福岡県のほぼ中央に位置し、かつて筑豊炭田の中心都市として栄えた歴史があります。飯塚駅は筑豊本線(福北ゆたか線)の主要駅で、新飯塚駅から博多駅まで約40分、北九州方面へのアクセスも良好な交通要所です。
駅周辺は旧市街地に位置し、地域住民の日常的な移動手段として利用されています。そのため、工事期間中も駅の運営を継続しながら、利用者の安全確保と周辺環境への配慮を両立させる必要がありました。
駅舎のアスベスト除去で求められる安全対策
駅舎でのアスベスト除去工事は、一般的な建築物とは異なる特有の課題があります。24時間稼働する公共交通施設での工事には、利用者の安全確保、運営継続、周辺環境への配慮が同時に求められます。
利用者の安全確保と飛散防止措置
駅舎での工事では、作業エリアと利用者動線を完全に分離する必要があります。今回の飯塚駅での施工では、煙突周辺を密閉養生シートで完全に隔離し、負圧集じん装置を設置してアスベスト繊維の漏出を防止しました。
負圧管理とは、作業エリア内の気圧を外部より低く保つことで、万が一養生に破損があった場合でも、外部から作業エリア内へ空気が流入し、アスベスト繊維が外部へ漏れ出さない仕組みです。石綿障害予防規則では、吹付けアスベストや保温材などレベル1・2建材の除去時に、この負圧管理が義務付けられています。
作業員の健康管理体制
アスベスト除去工事に従事する作業員は、完全防護服と専用の呼吸用保護具(防じんマスク)の着用が義務付けられています。作業前後には、特殊なシャワー設備で身体や防護服に付着したアスベスト繊維を完全に洗い流します。
また、石綿作業主任者の選任が必須であり、作業員の配置、保護具の使用状況確認、作業環境の管理など、現場全体の安全監督を行います。株式会社アクトでは業界歴22年以上の代表自らが石綿作業主任者として現場管理を行い、万全な安全体制を確保しています。
事前調査から完了確認まで|法令遵守の工程管理
アスベスト除去工事は、事前調査から廃棄物処分まで、すべての工程で法令遵守が求められます。飯塚駅での施工も、労働安全衛生法、石綿障害予防規則、大気汚染防止法に基づいた正確な工程管理を実施しました。
調査・届出フロー
STEP1:事前調査
実施者:建築物石綿含有建材調査者(有資格者)
内容:設計図書の確認、現地目視調査、必要に応じて分析調査を実施
記録:調査結果を書面で記録し、3年間保存
STEP2:行政への届出
提出先:労働基準監督署、地方自治体(環境部局)
期限:工事開始の14日前まで
内容:工事計画届、特定粉じん排出等作業実施届出書
STEP3:作業計画作成
内容:作業手順、安全対策、使用機材、作業期間を明確化
周知:作業員全員への説明と理解の確認
掲示:作業場所に石綿含有建材除去中の掲示
除去・処分の流れ
除去工事では、作業エリアの隔離、負圧管理、湿潤化による飛散防止を徹底します。除去したアスベスト含有建材は、専用の二重梱包袋に密封し、産業廃棄物として適正に処理します。
廃棄物の運搬・処分は、産業廃棄物処理業の許可を持つ専門業者に委託し、マニフェスト(産業廃棄物管理票)により最終処分場までの流れを確実に追跡・記録します。最終処分が完了すると、処分業者からマニフェストの写しが返送され、適正処理が証明されます。
作業完了後は、石綿作業主任者等の有資格者がアスベストの取り残しがないことを確認し、隔離を解除します。この完了確認も2021年4月から義務化されており、確認せずに隔離を解いた場合は法令違反となります。
石綿含有煙突断熱材の特徴とリスク

煙突の断熱材は、高温環境下での使用を目的としているため、耐熱性に優れたアスベストが多く使用されてきました。ボイラーや焼却炉などの煙突では、特にアスベスト含有率の高い断熱材が使われている可能性があります。
断熱材に使用されたアスベストの種類
煙突断熱材には、クリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)などが使用されていました。特にアモサイトとクロシドライトは発がん性が高く、わずかな曝露でも健康被害のリスクがあります。
2006年9月1日以前に建設された建築物には、これらのアスベストが含まれている可能性が高いため、解体・改修工事前の事前調査が不可欠です。飯塚駅のように歴史ある公共施設では、建設時期や改修履歴を詳しく調査する必要があります。
経年劣化による飛散リスク
煙突断熱材は高温環境と温度変化の繰り返しにさらされるため、経年劣化が進みやすい部位です。劣化が進むと、断熱材が剥離・損傷し、アスベスト繊維が飛散するリスクが高まります。
アスベスト繊維は肉眼では見えないほど細く、一度空気中に飛散すると長時間浮遊し続けます。吸い込んだアスベスト繊維は肺の奥深くまで到達し、石綿肺、肺がん、中皮腫などの重篤な疾患を引き起こします。これらの疾患は潜伏期間が20〜50年と長く、曝露から数十年後に発症するため、早期発見が困難です。
適正な除去費用とは?見積もりのポイント

アスベスト除去工事の費用は、建材の種類(レベル)、施工面積、作業環境、必要な安全対策によって大きく異なります。煙突断熱材の除去は、一般的にレベル2建材に分類され、隔離工法と負圧管理が必要となるため、レベル3建材(成形板等)よりも費用が高くなります。
費用項目の内訳
適正な見積もりを得るためには、複数の専門業者から相見積もりを取得し、内訳を詳しく確認することが重要です。極端に安い見積もりは、必要な安全対策が省略されている可能性があるため注意が必要です。
公共施設での注意点
駅舎などの公共施設では、一般建築物と比べて以下の追加費用が発生する場合があります。
利用者動線確保のための仮設設備費用として、誘導サイン、バリケード、仮設通路の設置が必要です。また、24時間稼働施設の場合、夜間作業や休日作業による割増料金が発生することもあります。
周辺環境への配慮として、騒音・振動対策、粉じん飛散監視、近隣住民への事前説明なども重要な費用項目となります。公共施設の管理者は、これらの追加費用も含めた総合的な予算計画を立てる必要があります。
まとめ|法令対応と安全を両立したアスベスト除去
福岡県飯塚駅での石綿含有煙突断熱材除去工事は、2023年10月施行の法改正に完全対応した事例として、公共施設でのアスベスト対策の重要性を示しています。有資格者による事前調査、14日前までの行政届出、密閉養生・負圧管理による隔離工法、有資格者による完了確認という法令遵守の工程管理により、利用者と作業員の安全を確保しながら確実な除去を実現しました。
2026年1月からは工作物への事前調査義務が拡大されるため、煙突や配管などの設備を持つ公共施設では、早期の調査実施が求められます。アスベストは目に見えない脅威であり、専門的な知識と技術を持つ業者への依頼が不可欠です。
株式会社アクトは、鹿児島県日置市を拠点に九州地方をはじめ全国でアスベスト調査・除去を提供しており、駅舎や学校、病院などの公共施設での施工実績も豊富です。業界歴22年以上の経験と、確かな施工実績に基づき、法令遵守と安全性を両立した高品質な工事を実施しています。






